Posted by 江 建 クライアントサービス

前回の投稿で、Google Analytics が、自動タグ設定機能により、簡単に AdWords と連携できることをご紹介しました。

連携させると、Google Analytics の管理画面 で AdWords のキーワードと費用に関する情報を表示することができます。

インポートした AdWords のデータを確認するには、「トラフィック」レポートの「AdWords 広告キャンペーン」を開きます。AdWords で登録しているキャンペーン一覧が表示されます。キャンペーン名をクリックすると広告グループが表示され、広告グループをクリックするとキーワードが表示されます。

レポートの[クリック数] タブを選択すると、AdWords の表示回数、クリック数、費用、クリック単価等が表示され、AdWords キャンペーンの収益性を確認できます。

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上図のレポートでは、AdWords がクリック数を記録し、Google Analytics がセッション数 を記録しますが、ユーザーの皆さまから、次のようなご質問をよくお寄せいただきます。

*よくあるご質問
「AdWords 広告キャンペーン」レポートを見ると、セッション数が、AdWords キャンペーン レポートのクリック数と一致しません。

これら 2 つの数値が一致しない場合は、いくつかの理由が考えられます。
(1) 1 人のユーザーが同じセッションで 1 つの広告を複数回クリックした。
(2) 広告はクリックされたが、ページが完全に読み込まれる前に、ユーザーが別のページに移動したり、ブラウザの [停止] ボタンを押したりしっため、Analytics のトラッキング コードが実行されなかった。
(3) 無効クリックとして、AdWords レポートから自動的に除外された。

今回の投稿では、(1)について詳細を解説したいと思います。

インターネットの世界には「セッション」という考え方があります。セッションとは、サイトに訪問してから退出するまでの「一回の訪問」を意味します。ユーザーがブラウザを閉じたりほかのサイトを表示したりする場合、退出したと考えます。Google Analytics では、30 分以上アクションが無い場合、タイムアウトとしてセッションが終わったものとみなします。

検索ユーザーが AdWords 広告をクリックしてサイトに流入した場合、一回の訪問が発生しますので、1セッションがカウントされます。1セッションは一回のクリックによって発生しますので、数値が同じになるものと考えられますが、しかし、実際のレポートでは、クリック数のほうがセッション数よりも多くなります。

これは、検索ユーザーの行動モデルを理解すれば容易に理解できます。情報を探しているインターネット上のユーザーは、一回のクリックでサイトに訪問し、すべてのアクションを完結することは稀であり、下図のようにサイトへの訪問を繰り返します。これは、サイトの比較を行っている場合によく見られるユーザーの行動パターンです。

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ユーザーがまず自社の広告に接触してサイトに訪問してから、一度別のサイトに移動したあと、再度、広告経由で自社のサイトに戻ってきたとします。この場合、AdWords はクリック数を 2 回記録しますが、Analytics はセッション数を 1 回記録します。

すなわち、一回のセッションにおいて、広告経由でサイトに訪問されるたびにクリック数は増えますが、セッション数は変化しません。

以上、セッション数とクリック数に違いが生じる理由を解説させていただきました。皆さまの疑問の解消に少しでもお役に立てたら幸いです。