Posted by Smita Hashim - グループ プロダクト マネージャー

AdWords ではこれまでも、広告を掲載する地域を指定するターゲット地域設定、そして店舗の住所を広告に追加表示する住所指定オプションを通じて、実店舗型のビジネスを効果的に宣伝する手段を提供してきました。そしてこのたびエンハンスト キャンペーンでは、この 2 つの機能を組み合わせ、住所指定オプションの住所をターゲット地域として選べるようになりました。

店舗の近くにいるユーザーへのアプローチが簡単に

新しく登場したターゲット地域設定の新機能を利用すると、設定済みの住所指定オプションを、そのままキャンペーンのターゲット地域としても使用することができます。ターゲット地域の設定画面で [住所指定オプションの掲載対象設定] を選んで半径を指定すると、住所指定オプションで登録した住所から一定距離内を、広告掲載対象として指定することができます。手順については、ヘルプ センターでもご紹介しています。


住所指定オプションの掲載対象設定

このように指定した地域に対して、入札単価調整を適用することも可能です。たとえば店舗の近くにいるユーザーに対して入札単価を引き上げれば、来客数の増加や売り上げの向上が見込めます。
例 1: 全国 80 か所の店舗を抱えるある小売店ではこれまで、日本全国に広告を配信しつつ、店舗付近のユーザーに対しては住所指定オプションを通じて店舗の場所を強調してきました。そして今回、店舗付近で検索しているユーザーへの広告表示をさらに増やすため、[住所指定オプションの半径 2.0 キロメートル] という地域を追加し、入札単価を +25% 引き上げました。

住所指定オプションのターゲットに対する入札単価調整の設定

地域に基づく入札単価調整の活用方法

以前にも本ブログでご紹介した通り、エンハンスト キャンペーンでは、キャンペーンを 1 つ作成するだけで地域に応じて入札単価を細かく調整することができます。

エンハンスト キャンペーンに移行すると、[設定] タブ内に新しく [地域] タブが追加されます。ここで該当の地域の [入札単価調整比] 欄をクリックすると、入札単価の引き上げ率や引き下げ率を設定することができます。AdWords Editor の最新バージョンも、地域に基づく入札単価調整に対応しています。

幅広い地域に広告を掲載しつつ、一部の地域で入札単価調整機能を活用すれば、広告の表示機会を十分に確保しつつも効率よく見込み顧客にメッセージを届けることができます。本ブログの後半では、地域に基づく入札単価調整機能の活用のヒントをご紹介します。


地域に基づく入札単価調整の設定

[地域] タブでは、下記の手順でコンバージョンにつながっている地域などを確認し、入札単価の調整に活かすことができます。
  1. [地域の詳細] ボタンをクリックして、[広告表示につながった地域名] を選択します。
  2. クリック率やコンバージョン数、平均クリック単価などのデータをご確認ください。
    [表示] ボタンをクリックして「国ごと」「市区郡ごと」など表示の単位を切り替えたり、フィルタ機能を用いてデータを絞り込んだりすることもできます。
  3.  新たにターゲットとして追加したい地域があれば、その横にチェックを入れます。
  4. [ターゲットを追加して入札単価調整を設定] ボタンをクリックします。
広告主様によっては、地域によって顧客単価や営業コストが異なる場合もあるでしょう。そのようなデータと AdWords のデータを組み合わせると、さらに効果的に入札単価調整機能を活用することができます。
例 2: 商業施設の維持管理会社では、名古屋本社の周辺 20 km をターゲットに設定しています。本社の周辺 8 km 圏内の顧客の場合は諸経費が 20% 安く済むことがわかっているため、8 km 圏内で検索するユーザーに対して入札単価を 20% 引き上げ、収益性の向上をはかっています。

例 3: ある金融サービス会社では、顧客 1 人あたりの広告費用を、平均生涯価値の 8 分の 1 以内におさめたいと考えています。そのため、独自に割り出した都市ごとの顧客の平均生涯価値と、顧客 1 人の獲得にかかった AdWords の広告費用とを比較することにしました。
都市顧客 1 人あたりの平均生涯価値顧客 1 人あたりの平均広告費用広告費用に対する収益率目標(広告投資収益率 8.0)の達成度入札単価調整
東京75,000 円7,500 円10.00125%+20%
名古屋42,000 円7,000 円6.0075%-20%
大阪54,000 円6,000 円9.00113%+10%
そして上記の表の通り、広告投資収益率が目標を下回っている都市で入札単価を引き下げ、目標を上回っている都市で入札単価を引き上げました。数週間後に再び最新データを確認し、必要に応じて修正を加える予定です。
入札単価は、広告の掲載結果を左右する重要な要素の 1 つです。定期的に掲載結果を確認し、入札単価を調整することをおすすめします。ターゲット地域に関するその他のヒントもあわせてご覧ください。

Google では、地域に関するデータや機能を、皆様の広告の掲載結果向上に役立てていただきたいと考えております。本日ご紹介した新しい機能をぜひ、さらなる集客や収益性の向上にご活用ください。